2021年9月21日放送 - は:花山公園つつじの名所


館林にある県立「つつじが岡公園」。

この周辺は昔からツツジが咲き乱れる場所として知られており、室町時代の書物には既に「躑躅(つつじ)ヶ崎」という地名が記されています。

また江戸時代になると歴代の館林城主によってツツジが手厚く保護されるようになり、地元ではこの一帯は「花山」と呼ばれ親しまれるようになったことから、上毛かるたでは『花山公園』という名前で詠まれています。

 

そしてこのツツジを地域の財産としてずっと守っていく為、2017年に館林市は「つつじを愛し保護する条例」を市内に施行し、4月23日を「つつじの日」と制定しました。

それだけ、館林の方々はツツジをこよなく愛しているのです。

 

 

さて、館林のツツジをカタる上で是非取り上げたかったものがあります。

それは『宇宙ツツジ』。皆様ご存知でしょうか?

 

これは1994年にスペースシャトルに搭乗した館林市出身の宇宙飛行士:向井千秋さんが機内に持ち込んだツツジの種のことを指します。これが、”日本の植物”を宇宙空間に持ち込んだ最初の事例なのです。

 

スペースシャトルに搭乗する宇宙飛行士はいくつかの品を記念品として持ち込むことができるそうなのですが、当時向井さんが搭乗した際には館林に関係したものを持って行くことになりました。

ただそれらはシャトル内に収納される為、大きさや重さの制限はもちろん、乗組員に害をおよぼす可能性のある物や生ものはダメという厳しい制限があります。

しかし当時館林市は、何とか市の象徴であるツツジを持っていく事はできないかとNASAに交渉した訳です。

 

 

当初はスペースシャトル内で花を咲かせられないかという大胆な案もあったそうなのですが、持ち込む物は打上げ数ヶ月前からパッケージ詰めする必要がある為に断念。

しかし『種』であれば管理が容易で、何よりも宇宙から帰ってきた後に発芽させるという夢が描ける為、交渉の結果、つつじが岡公園内にある3本の木より採取したツツジの種を搭載する許可が下りたのです。

 

それぞれの種子は向井さんと共に2週間の宇宙飛行を行って1994年7月に地球へと帰還。

当初、宇宙へ持って行った事で突然変異するのでは?という懸念もあったのですが、特に直接的な変化は認められず、現在宇宙ツツジは花山公園内で鮮やかな花を咲かせています。

その後も毛利衛さんが桜の種子を、星出彰彦さんがケヤキの種子を宇宙へ持って行きましたが、まさにこれらは館林のツツジが発端となっている訳です。

 

宇宙飛行士を目指している群馬の子供たち。

皆さんには向井千秋さんに続いて群馬から宇宙へ羽ばたいていただくと共に。その際には是非今度は下仁田ねぎの種と下仁田こんにゃくの種イモを持って行って下さい。

『宇宙下仁田ねぎ』と『宇宙下仁田こんにゃく』。是非私が生きている間に食べさせて下さい!