2021年3月9日放送 - あ:浅間のいたずら鬼の押出し


この札は1783年に大噴火を起こした浅間山を詠んだ札です。

 

当時の地元の人達はその噴火の様子を『突然鬼が暴れて、真っ赤な舌を出して襲ってきた』と表現したそうで、その言葉からも噴火の恐怖は想像を超えるものだったと考えられます。

またこの1783年はアメリカの独立戦争が終結した年であり、翌年『アメリカ合衆国』が生まれました。

世界が大きく前進し始めた年なのですが、悲しくも日本では浅間山の噴火が発端となって『天明の大ききん』が発生、多くの人が飢えに苦しむことになっていきます。

 

当時の噴火の様子は嬬恋村の『鬼押出し園』に行けばよく分かりますが、それに加えて是非『鎌原観音堂』にも足を運んでみることをおススメします。

この観音堂がある鎌原村(当時)は人口570人という小さな村でしたが、浅間山の大噴火によって村がまるごと溶岩に飲み込まれ、村民の8割以上である477人がその犠牲となりました。

 

この鎌原観音堂は高台にある為に村の中で唯一被害を逃れた建物であり、残りの村人の命を守った場所として今も残っています。

噴火から約200年が経った1979年に観音堂周辺の発掘調査を行ったところ、石段から若い女性が年配の女性を背負った状態の遺骨が発見され、大きな話題となりました。

 

 

『あ』の札を通じて、自然は人間が計り知れないほど大きな力を持っている事を是非多くの方に再認識して欲しいと思います。