2025年11月25日放送 - み:水上、谷川 スキーと登山


 

群馬と新潟の県境に位置し、日本百名山の1つとしても有名な標高1977mの谷川岳。

スキーや登山など1年を通じて観光客が訪れ、またその南側には水上温泉や宝川温泉、谷川温泉など多くの温泉街が広がっている関東屈指のリゾート地としても知られています。

 

 

また谷川岳には『トマの耳』と『オキの耳』と呼ばれる2つの頂上があり、夏にはエーデルワイスやユキワリソウ、シラネアオイといった高山植物を楽しめる場所としても有名です。

 

 

ただやっかいなのが冬。

この谷川岳は日本有数の豪雪地帯であり、大昔には多くの人が山越えを行って命を落としたと言います。そのため江戸時代に入ってからは三国峠を通る道が整備され、越後~上州間の交通はこの三国街道に一本化されたのです。

 

 

しかし、実は昭和に入ってからこの三国峠を『ダイナマイトで吹っ飛ばす』という過激な発言した人がいます。その人は誰かご存知でしょうか?

正解は、のちに内閣総理大臣になる『田中角栄』。

 

 

 

田中角栄は新潟県出身であり、若い頃は群馬に本社のある井上工業の東京支店で働きながら夜間学校に通って土木の勉強していました。そして1972年に第64代内閣総理大臣となり、今でも戦後の日本を代表する政治家と言われています。

 

 

その田中角栄が初めて選挙に出馬したのは、戦争終結の翌年にあたる1946年の冬の国政選挙。この時、出馬した新潟二区は定数8人に対して候補者が37人という激戦区でした。そのためまだ若かった角栄は吹雪の中をソリで回って演説したと言います。

 

そして、その中で言ったと言われているのが、地元では有名な『三国峠演説』。

 

 

「三国峠をダイナマイトで吹っ飛ばすのであります。そうしますと、日本海の季節風は太平洋側に吹き抜けて越後に雪は降らなくなる。出てきた土砂は日本海に運んでいって埋め立てに使えば、佐渡とは陸続きになるのであります。」

 

 

という奇想天外な演説を披露し、新潟県民の注目を集めたのです。

ただこの選挙では37人中11位と惜しくも落選。しかし翌年の1947年に日本国憲法の下で初の総選挙が行われて見事に当選し、その後は政治家としての階段を一気に駆け上がって行きます。

 

 

もちろん、本当に三国峠を吹っ飛ばすのであればとんでもない大工事になるので、この演説が本心だったのかどうかは分かりません。

しかし新潟の冬は、南側に列なる三国峠や谷川連峰の影響で毎日雪が降り、朝日を見る事すらない程どんよりしています。

それに加えて当時は敗戦という苦難の時期。雪を無くして朝日を見せて、新潟県民を奮い立たせたいという田中角栄の想いがこの演説には詰まっているのです。

 

 

2025年11月25日
M-wave Evening Express 84.5MHz『上毛かるたはカタル』

KING OF JMK代表理事 渡邉 俊