2023年7月25日放送 - そ:そろいの仕度で八木節音頭


 

 いよいよ来週の8月4日(金)~6日(日)の3日間、桐生八木節まつりが開催されます。

コロナ禍での中止を挟んで4年ぶりの開催となるこのお祭りは県内外から約50万人が訪れる県内最大級のお祭りイベントです。これを楽しみにしている方々もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

 

この八木節の発祥については正確に分かっていないようなのですが、江戸時代末期に今の栃木県の八木宿で仕事をしていた女性が口ずさんでいた歌に樽を叩いて伴奏し始め、それが群馬の東毛地区にも伝わったと言われています。

また現在では日本の民謡の代表格として小学校の音楽の教科書にも掲載されています。私の長男が通う横浜の小学校でも、昨年の授業参観で音楽の授業を見た時に八木節を演奏していました。

 

更に1982年から1991年までの9年間、上越新幹線には『ふるさとチャイム』というものがあり、各駅に停車する際にその土地にちなんだ音楽を車内に流していたのですが、当時高崎駅到着時には新幹線内に八木節が流れていました。

鉄道ファンの方ならば覚えているのではと思います。

 

 

このように今や八木節は全国的に有名ですが、以前このコーナーでもお話した通り、そのきっかけとなったのは『レコード』の発売です。大正時代、初代堀込源太さんの唄う八木節を、まだ日本に普及したばかりのレコードに吹き込んで発売した訳です。

 

しかしこれ以外にも、八木節が全国区になったもう1つのきっかけがあるのですが、それは何か皆さんはご存じでしょうか?

そのきっかけとは・・・『桐生織のプロモーション』。

 

 

この八木節がレコードで大人気となった頃、桐生では地場産業である桐生織を関西方面にも拡販する計画を練っていました。しかしご存じの通り関西には京都の西陣織をはじめライバルとなる織物が多く、桐生織の存在を知ってもらう為にはインパクトの大きい、桐生ならではの何かが必要でした。

 

そしてその時に白羽の矢が立ったのが桐生の八木節。桐生織の販売と一緒に八木節公演も関西で行うことで、インパクトのあるプロモーションを行おうと考えたのです。

 

この取り組みが最初に行われたのは1932年。京都市の岡崎へ売り込みに行った時に初めて披露されたそうで、桐生織の法被をつくり、楽器を持参して八木節を踊りました。

他の民謡と比べてリズムの早い八木節は関西でも大きな注目を集め、桐生織と八木節がセットで現地の新聞などに取り上げられるようになり、その後全国へと回るようになったのです。

 

単なる地元の民謡でなく、地場産業発展にも大きく貢献していた桐生の八木節。皆さん待ちに待った4年ぶりの八木節がもうすぐ桐生市内に響き渡ります。

 

2023年7月25日

M-wave Evening Express 84.5MHz『上毛かるたはカタル』

 

 

KING OF JMK代表理事 渡邉 俊